強みに着目して、人材育成の機会をつくる

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経営・人材育成・採用

強みに着目して、人材育成の機会をつくる

人材育成を考えるうえで最も大切なことは、個人の強みに着目することです。
強みを伸ばすことで、最も早く成果を出すことができるのです。

もちろん、苦手なことを改善することも必要な場面はありますが、強みを伸ばすことよりも重要度は下がります。

ここで定義しておきたいことは、そもそも、強みや弱みとはどういったことか、ということです。
それは、「特徴の捉え方である」と考えるようにしましょう。
例えば、「明るくて元気」と言えば強みに聞こえるが、「うるさくて煩わしい」と言えば弱みに聞こえます。

つまり、必要とされるタイミングでその特徴がうまく機能するかどうか、ということです。
うまく機能すれば強みとなるし、そうでなければ弱みとなります。

社内外の人と、円滑で雰囲気よくコミュニケーションを取ることが成果につながる仕事であれば、明るく元気な特徴は強みとなります。
黙々と目の前のことに集中し、ひとつのミスも許されない緊張感が成果につながる仕事であれば、うるさくて煩わしい特徴は弱みとなります。

このように、強みや弱みはそれ自体で判断できるものではなく、一度特徴として捉え、成果を出すことが求められる場面に活かすことができるか、という考え方が必要なのです。

人材育成の流れ

これを人材育成に当てはめたときに、会社の方向性に基づいて、社員一人ひとりに与えられた役割、求める成果を明確にすることがまずは大切です。
そのうえで、その成果を出すために発揮してほしい特徴を明確にします。
そしてその特徴が発揮しやすいような環境を整備したり、より強みとして伸ばすことができるような育成方法を考えたりするといいでしょう。

会社の方向性

社員の役割

求める成果

成果を出すために発揮する特徴

成果を出すための環境整備

という流れです。

「成果を出すために発揮する特徴」というのは、個人が持っているものであり、会社として大きく変えることは難しいでしょう。
しかし、「成果を出すための環境整備」は経営者の判断で変えることができます。
この環境整備によって、社員の成長が大きく左右されるという認識を持ちましょう。

では、成果を出すための環境はどのように作ればいいのでしょうか。

成果を出す環境の作り方

成果を出す環境の作り方

誰かに教える機会を作る

人が大きく成長する環境は、インプットではなく、アウトプットが多い環境であることです。
人に教えている時に、結果として、自分が一番勉強になっているという経験をお持ちの方もいるのではないでしょうか。

アメリカ国立訓練研究所によって示された、「ラーニングピラミッド」という理論でも論じられてます。

学習の定着率として、

  • 講義を受ける:5%
  • 読む:105
  • 視聴覚:20%
  • デモンストレーション:30%
  • グループディスカッション:50%
  • 実践による練習:75%
  • 誰かに教える:90%

といった数値が算出されています。

教わったことが最も定着することは、その教わったことを誰かに教えるとき、ということです。
能動的になればなるほど学習の定着化が図れるとされております。逆を言えば、受動的であれば学習効果が定着しないともいえます。

つまり、教わる環境だけではなく、教える環境を作りましょう。
これは、年齢や立場は関係ありません。若手であったとしても誰かに教える役割を与えるといいでしょう。

入社2年目以上の社員であれば、後輩に教える機会はあるでしょう。
しかし、入社1年目の社員、1番若い社員であっても、他の社員が知らないような知識や誰もやったことがない経験があるかもしれません。
そういった分野を見つけて、他の社員に教える機会を作るようにしてみてください。

例えば、全体朝礼の司会進行役を新人にお願いするといったことも1つの方法です。
全体の進行を手掛けるだけでなく、「司会者からの一言」として、1週間のうちにあった学びや気付きを、全社員の前で発表する機会を作るのです。
そうすることにより、普段からアンテナを張るようになります。いきなり「何か言え」と言われてもなかなか言えないものですが、「誰かに伝える機会がある」ということで、インプットの精度が高まるわけです。
目の前のたくさんの人たち、しかも全員が自分よりも年齢も経験も上である人たちに、何かを教えるわけですから、鍛えられる環境としては最適です。

もちろん、最初はうまくいかないかもしれません。しかし、本人が伝えたいこと、それを通して気づいたことは、その人にとっては大切なことであるわけです。
そういった部分から、その人の強みを読み取る、ということもできます。

そういった経験を通じて、やりがいにつながったり、誰も見つけることができなかった特徴を発掘したり、といった効果があります。
ぜひ「誰かに教える機会」を積極的に設けるようにしてください。

自分で考えてやってみる、という経験をさせること

人は、言われたことをやるだけでは大きく成長しません。
基礎を作るタイミングでは必要かもしれませんが、あくまでも土台を固めるために必要なものであり、その人の強みが大きく伸びるタイミングはその先にあるのです。

「その先」というのは、「自分で考えてやってみる」という範囲のことです。
最初は、言われたことができないでしょう。
そして徐々に、言われたことはできるようになってきます。
しかし、多くの人はここで成長が止まってしまいます。
なぜなら言われたことだけをしていれば、大きなミスや損失がないため、マイナス評価をされないためです。
おもしろくない日々が続くかもしれませんが、失敗して自分の居場所が危険になるようは幾分マシ、なわけです。

成長には痛みが伴うのかもしれません。それは身体が成長する際に発生した成長痛のようなものです。

しかし、なぜ失敗を恐れるかというと、会社としての失敗に対する向き合い方に問題があるから、と言えるのではないでしょうか。
同じ失敗を何度も繰り返すことは確かに避けるべきでしょう。
しかし、成果や貢献にフォーカスした結果、今までやらなかったことに挑戦することは、非難されるようなことではありません。
むしろ、そういったことは推奨されるべきなのです。

個人レベルの挑戦であれば、売上や利益、顧客との関係性に大きな損失にならない範囲で、どんどんチャレンジさせていきましょう。
会社には大きな影響はなくても、個人的に大きなチャレンジになる、といったこともたくさんあるはずです。

自分の殻を破るために新規開拓をするとか、誰も試したことがない方法でプレゼンをするとか、新しい顧客を発掘するためのマーケティングを実施するとか。
そういったチャレンジを推奨する社風も、研修とは違ったアプローチで人材を育成する手段になります。

そのためには、社員一人ひとりに
「もしどんな失敗も許されるとしたら、どんなことに挑戦してみたいか?」
という質問を投げかけてみましょう。
そんなことを考えていたのか!とびっくりするような答えが返ってくるかもしれません。

「イラストが得意な女の子が、売り場のポップを担当したいと言い出したので任せたら、そのコーナーの売上が急上昇した」というような事例は本当にたくさんあります。

自主性を引き出すことで強みを伸ばす

ここで大切なことは、会社として仕事を与えるのではなく、あくまでも自主性を引き出す、ということです。
会社が与えると、「言われたからやっている」という意識が働いてしまいます。

こうしてその人の自主性を引き出すことで特徴が明確になり、それを強みとして伸ばしていくことで、弱みをカバーすることができます。
それはその人自身が圧倒的な成果を出すことでカバーをすることもあるし、他の人の強みがカバーしてくれることもあるからです。

そういった相互作用が組織という仕組みのいいところであり、組織としての在り方であるのではないでしょうか。

部署やプロジェクトに必要な人員を考えるときは、個人が出している成果だけではなく、こういった特徴の組み合わせにも気を配るといいでしょう。

攻めるタイプと守るタイプ、行動するタイプと考えるタイプ、自分で決めたいタイプと人の意見を聞きたいタイプなど、様々なタイプがあります。
似たような人ばかりが集まると考え方も偏りがちになりますし、意思決定に必要な情報が不足する可能性もあります。

社員の成長が、結果として、会社としての業績に大きく影響致します。
得意分野、強みが活かせる分野に対して自主的に動く社員が集まり、弱みは他の社員が補い合う組織を目指していきましょう。

執筆者プロフィール

willgrow

マーケティング&セールスディレクター/MSE研究所 代表/マーケティングノウハウのみでなく、SEO・ネット広告などWebマーケティング全般に詳しい。集客だけでなく、実際の営業現場まで入り込んで、実際に自ら実践するコンサルティング手法は、ゼロから事業を立ち上げる経営者の方から好評を得ている。

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